お手伝いは「しつけ」じゃなく「外注」です。10分100円の”お家外注”で子ども3人が戦力になった話

家事ラボ

「子どもにもっと家事を手伝ってほしい。でも、頼むたびに嫌な顔をされて、結局自分でやったほうが早い」

「お手伝い表を作ってみたけど、3日で誰も見なくなった」

そんな経験はありませんか。わたしは料理以外の家事がとにかく苦手で、子どもが3人になったタイミングで、ワンオペが完全にキャパオーバーになりました。

こんにちは、日々ラボの藤咲ゆづきです。中学生の長男と、小学生の長女・次女の3人の母で、在宅でフリーランスの仕事をしています。

日々ラボは、家事や時間、お金のことを「観察 → 仕組み化 → 実験」していく研究ノートです。リニューアル後の最初の記事は、わが家でいちばん長く続いている仕組み「お家外注」の話から始めます。

困りごと
料理以外の家事が苦手で、手が回らない。でも子どもたちは、わたしより暇そうにしている
仮説
お手伝いを「しつけ」ではなく、お金を払う「外注」にすれば、子どもは働き、わたしはその時間で仕事ができるのでは?
仕組み
10分100円(時給600円換算)。家事ごとに「標準時間」から単価を決め、実際にかかった時間では払わない。期待以上の働きにはチップ
結果
わりと続いている。みんな家事の質が上がり、今では「普通に戦力化されてる」。ちゃんとやる子は月5,000円くらい稼いでいる

結論:お手伝いを「外注」にしたら、家が回り始めた

先に結論から書きます。

わが家では、子どものお手伝いを「家族の義務」でも「しつけ」でもなく、お金を払ってお願いする「外注」として扱っています。

単価は10分100円。時給にすると600円です。わたしはこれを「お家外注」と呼んでいます。

気合いや根性で頼むのではなく、仕事として発注する。始めてから、もう4年目くらいになります。わが家ではわりと続いていて、我ながら面白い仕組みだと思っています。

始めた理由:「下請けに出そって思っただけ」

「言ってもやってくれない」が始まりだった

家事のお手伝い自体は、子どもたちが幼稚園のころからやってもらっていました。「一緒に洗濯物たたもう」「買い物袋から出して、こっちにちょうだい」「バナナ、テーブルナイフで一緒に切ってみよう、食べよう」。そんな「一緒にやろう」の延長です。

ところが、長男が小学校の中学年くらいになったころ、言ってもやってくれなくなりました。そこで「お小遣いと組み合わせたらいいかな」と考えたのが、お家外注の始まりです。

子どもに1時間外注すれば、わたしは1時間働ける

お小遣いと組み合わせた理由は、正直とてもシンプルです。

わたしは料理以外の家事が嫌いで、苦手です。「お金で釣ってやってくれたら嬉しいなー」と思いました。しかも、見渡すとわたしより子どものほうが暇そうにしている。

わたしは在宅のフリーランスなので、子どもが家事を1時間肩代わりしてくれたら、その1時間は仕事にあてられます。今のわたしの時給は1,500円くらい。時給600円で外注しても、家計としてはプラスです。

だから、下請けに出そって思っただけなんです(笑)。

家事をしないまま母になって、困ったから

もうひとつ、本音の理由があります。

わたしは家事を一切しないまま、大学生で妊娠しました。母になるとき、まず考えたのは「とりあえず料理や家事のレベル上げが優先」ということでした。

家事は「生きる力」です。だから子どもたちには、早めに経験を積ませておきたいと思いました。

高校生や大学生になると、部活や勉強、自分の生活で忙しくなります。そう考えると、いちばん暇なのは小中学生のうち。「今だな」と思って始めました。

仕組み:単価は「かかった時間」ではなく「かかるはずの時間」で決める

10分100円で、計算をラクにする

時給600円にしたのは、10分100円で分かりやすいからです。子どもでも暗算できるし、わたしも単価を決めやすい。

単価は、家事の項目ごとに決めています。たとえば浴槽掃除は50円。「5分で終わるはずだから50円ね」という決め方です。

わが家の今の単価表は、こんな感じです。

家事 報酬
リビングまわりの片付け(床・机の上の物を戻す) 50円
洗濯機をまわす(洗剤を入れてスタート) 50円
洗濯物を干す 1回200円
洗濯物の取り込み 50円
洗濯物の仕分け(各自に分ける) 50円
朝・昼の皿洗い 50円
夜の皿洗い+シンク 100円
乾いた皿を棚に戻す 50〜100円
浴槽洗い 50円
洗面台の掃除 50円
トイレの床掃除 50円
玄関の掃き掃除 50円
寝室の布団上げ → 換気 100円
各部屋の掃除(ゴミ拾い・クイックル・掃除機) 5分50円/10分100円/20分200円
自主勉強(宿題+α) 50円

家事だけでなく、自主勉強(宿題+α)にも報酬をつけています。

実際にかかった時間では払わない

ここがいちばんのポイントです。

単価は「その家事にかかるはずの時間(標準時間)× 時給」で決めていて、実際にかかった時間では払いません。

もし実際の時間で払うと、ダラダラやったほうが得をする仕組みになってしまうからです。手早く丁寧に終わらせた子が損をするのは、おかしいですよね。

期待以上の働きには「チップ」

その代わり、チップ制度があります。チップが出るのは、たとえばこんなときです。

  • 期待していた以上のクオリティで仕上げてくれたとき
  • 頼まれる前に、先回りしてやってくれたとき

「早く・きれいに・自分から」が評価される。仕組みの中に、そういう方向づけを入れています。

記録と支払い:アプリ → 冷蔵庫の表 → 自作中

最初は「Houbi」アプリで申請と承認

最初は「Houbi」というアプリを使っていました。流れはこうです。

  • 子どもがアプリで「やりました」と申請する(自分のスマホから、またはわたしのスマホの子どもモードから)
  • わたしが承認する
  • ポイントとして貯まる
  • 500円・1,000円単位で、いつでも換金できる

業務報告 → 承認 → 給与支払い、という会社のような流れです。出先で欲しいものを見つけると、「何ポイントあるっけ?」と聞かれていました。

今は冷蔵庫の表。正直、不便です

その後、子どもがスマホ依存気味になってきました。YouTubeは小さい画面ではなくテレビで見てほしいこともあって、Googleファミリーリンクでスマホの利用時間を制限しました。

アプリが使いにくくなったので、今は冷蔵庫に紙の表を貼って、そこに書いてもらっています。表は、Googleスプレッドシートのスクリプト(GAS)で1か月分を上旬・中旬・下旬に分けて自動で作り、印刷しています。

やった家事のマスに、100円ならスタンプ「■」、50円ならスラッシュ「/」をつけるルールです。紙の表にしてからは、10日ごとにまとめて現金で支給して、お金は子どもたちが自分の手元で管理しています。表が上旬・中旬・下旬に分かれているのは、そのためです。

……とはいえ、紙の集計は正直不便なんです。

そこで今、Alexaスキルとわたしのスマホなどを組み合わせて、記録の仕組みを自分で作り直しているところです。形になったら、別の記事で開発記を書く予定です。

子どもたちの変化:普通に戦力化されてる

家事の質が上がった

続けてきて、いちばん変わったのは家事のクオリティです。

今では、みんな家事の質が上がって、普通に戦力化されています。

とはいえ、いきなりできたわけではありません。家事の練習は、お家外注を始めるずっと前、幼稚園のころの「一緒にやろう」から少しずつ積み上げてきました。段階の踏み方は、だいたいこんな感じです。

  • 洗濯物はフェイスタオル畳みから。慣れたら、平らに整えやすい薄いシャツへ
  • 包丁は、刃のついていないテーブルナイフでバナナや茹でた人参を切るところから
  • 次にレンジの使い方。冷凍おにぎりをチンするところから
  • 火は、わたしが具材を切っている横で「これ炒めといてー」「焦げつかないように混ぜてー」と少しずつ

ちゃんとやる子は月5,000円

稼ぎは、子どもによって違います。ちゃんとやる子は、月5,000円くらい稼いでいます。

3人の働きぶりは、見事にバラバラです。

  • 長男:言われないとやらないタイプ。洗濯物の仕分けは、妹2人の服の見分けがつきにくいので、やりたがりません。そのかわり、料理は得意です。やる気があれば、一食まるまる支度できる腕前。好物のステーキ肉は「食べたいときにどうぞ」と伝えておけば、おなかが空いたタイミングで自分で焼いて食べます。ポトフもカレーも作れて、ついでに妹たちの分まで用意してくれることも。炊飯器のセットは、わたしと長男で半々くらいです
  • 長女:いちばん気がついて、いちばん荒稼ぎしています。ボンボンドロップシールなどのシールブームのときは、稼いだぶんを結構使っていました(笑)
  • 次女:いちばんの気分屋さん。でも、上の2人の仕事ぶりを見ているので、年齢のわりにできることが多いです。洗濯物の仕分けや、しまうところまで任せられます。身長的に難しい家事もあるので、浴槽洗いをすることが多いです

同じ仕組みでも、稼ぎ方に性格が出るのが面白いところです。

稼いだお金は、何に使っている?

「月5,000円も稼いで、何に使うの?」と思いますよね。これが、意外とちゃんと消えていきます。

  • 娘たち:大好きなサンリオグッズ、ガチャガチャ、作る系のお菓子(知育菓子)。ガチャガチャは1回500円もざらなので、いくらあっても足りない様子です
  • 長男:いちばんドカッと使うのは長男です。鉄道でお友だちと出かけるので、交通費やお昼代がかかります。しかも、かなり遠くまで行ってしまう。出かけた先で鉄道グッズを買ってくることもあって、意外と使っています

長男のお出かけは、お昼代はわたしが補うことも多いですが、交通費は基本的に「お小遣いで行ける範囲で」というルールにしています。

逆に、日々のおやつはわたしが選んで勝手に買ってくることが多いです。一緒に買い物に行ったときに「一人500円まで選んでいいよー」のように、3人に平等に買ってあげる場面もあります。

線引きはゆるーくて、「親としてはこれにお金を使いたくないけど、本人がどうしても欲しいなら、お小遣いからどうぞ」という感じのすみわけです。

わたしは、働きに報酬が出るのはいいことだと思っています。お家外注で身につけてほしいのは、家事の力だけではありません。

「自分を安売りしない」という価値観も、一緒に身につけてほしいと思っています。

頼み方のコツ:声かけは「大人に頼むように」

仕組みと同じくらい大事なのが、声かけです。

最初は、大人に頼むように丁寧に

始めたころは、「困ってるときにこれやってくれると助かるんだけど、可能ですか?」と、大人に仕事を頼むような感じで丁寧に声をかけていました。

慣れてきた今は、「これやっておいてくれる?」と普通に頼んでいます。

改善点は「サンドイッチ」で1つだけ

終わったら、まずは「ありがとう!さすが!助かったよー」と感謝を伝えます。

直してほしいところがあるときも、助かったことを先に伝えてから、「こうしてくれると、もっとレベルアップで助かる!」と1つだけ伝えます。

大前提は「偉い!」

わたし自身、子どものころは家事をやっていませんでした。だからこそ、ほかの子はやっていないかもしれない家事をやってくれているだけで、まず「偉い!」が先に来るようにしています。

まとめ:家事が苦手な親こそ、外注にしてみる

お家外注のポイントをまとめます。

  • お手伝いを「しつけ」ではなく、お金を払う「外注」にする
  • 単価は10分100円。家事ごとに「かかるはずの時間」で決める
  • 実際にかかった時間では払わない。代わりに、質と先回りにはチップ
  • 声かけは丁寧に。大前提は「偉い!」

家事が苦手なわたしは、気合いではなく仕組みで乗り切ることにしました。お手伝い制度が続かなくて悩んでいる方は、「外注」という目線で一度組み直してみると、何か変わるかもしれません。

次回予告:賃上げ、検討中です

実は今、お家外注の単価アップを考えています。

導入したころ、わたしのフリーランスの時給は1,200円くらいでした。今は1,500円くらいに上がり、最低賃金もずいぶん上がりました。子どもたちの家事のクオリティも上がっています。

わたしの時給が上がったぶんは、下請けさんにも還元したい。というわけで、賃上げ、検討中です。 単価を改定したら、また報告しますね。

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